和白干潟の生きものマップ


和白干潟へ出かけよう

和白干潟は博多湾の奥にあります。150万都市の中に残された干潟です。

砂っぽい場所や、泥っぽい場所、磯干潟、アシ原と塩生植物。広くはないけれどいろんな環境が揃っていて干潟観察や環境学習に最適の場所です。特に自然海岸に干潟、アシ原、松林が一帯で残っている環境は、国内でも貴重な場所になっています。

カニ、貝、ゴカイ、魚、植物などいろんな生きものたちがたくさん暮らしていて、渡り鳥もたくさんやってきます。2003年には国指定鳥獣保護区に指定されています。まさに生物多様性のワンダーランドです。和白干潟は「都市の中の干潟/Urban-Wetland」です。

水質の浄化や生物多様性だけでなく、人間が潮干狩りを楽しんだり、心を癒してくれたり、自然の生態を学ぶ場所として、これからもっともっと大切な環境になるでしょう。

さぁ面白発見だ!!  長靴を履いて干潟の宝物探しへ出かけよう。



雁の巣干潟

雁の巣干潟は砂質の干潟で、緑地の前にはゴカイの巣穴が一面に広がっていて、潮溜まりでは小さなハゼが見られます。 アシ原にはアシハラガニが群れていて、オカミミガイも見つかります。
ここの堤防は最近改修されましたが、だんだん生物が戻ってきていて興味深い場所です。
なんといっても雁の巣鼻から奈多小学校まで続く砂浜のコメツキガニの群れは圧巻です。


五丁川河口

五丁川河口右岸の階段には、アマガイやウミニナがたくさん着いています。 そして石積みにはフタバカクガニがいて、泥っぽい所ではハサミシャコエビの巣穴も見られます。 昔の水上飛行機用のスロープを降りて干潟へ出ると、一面にタマシキゴカイの糞の小山や卵塊があり、ツバサゴカイの棲管も多く見ることができます。 大潮の干潮時には、カキ礁も姿を見せます。


和白川河口

和白川河口左岸にはハクセンシオマネキやコメツキガニの群れがいてヒメアシハラガニも見ることができます。 右岸の堤防ではカクベンケイガニが見られ、アマガイやタマキビなどが着いています。 転石にはフジツボやタテジマイソギンチャクがいて、石の下にはケフサイソガニなどが見られます。 川の流れでは小さなハゼなどが素早く泳いでいます。



唐原川河口

唐原川右岸には自然海岸のアシ原、塩性湿地があり、ハマガニ、アシハラガニ、クロベンケイガニなどの棲家になっています。 左岸には小さな水路とアシ原があり、干潟の高低によって、ヤマトオサガニ、アシハラガニ、ハクセンシオマネキ、アカテガニなど多様なカニ類が見られる環境があります。 和白干潟でもここでしか見られないカニや貝、植物がある貴重な環境になっています。


香住ヶ丘磯干潟

「あいたか橋」の南側は人工の砂浜で、北側は自然の磯干潟です。 砂浜ではコメツキガニ、水路ではハゼ類が見られます。 あいたか橋の下の泥っぽい所では、ヤマトオサガニ、トビハゼ、石積みではカクベンケイガニやフタバカクガニがいます。 磯干潟では岩に、ヒメコザラガイ、ヒメケハダヒザラガイ、カリガネエガイなどがいて、岩の下にケフサイソガニ、テッポウエビなどがいます。


バードウォッチング

和白干潟にはたくさん渡り鳥が飛来します。
春と秋には、北のシベリアやアラスカの繁殖地から、南のオーストラリアやニュージーランド等の越冬地を往復するシギ・チドリ類。 冬にはクロツラヘラサギやカモ類など、寒い冬を過ごす渡り鳥が栄養補給と休息のためにたくさんやってきます。
世界中で干潟が失われて、渡り鳥たちが困っています。 和白干潟は国際的にも大切な環境です。